アルプスの山を降り、今日からはいよいよ南に向かう。
途中で寄り道、チョコラティエのBONNATへ。
http://www.bonnat.co.jp/index.html
http://www.bonnat-chocolatier.com/
フランスのショコラティエでカカオ豆の焙煎から手がけてチョコレートを作っているのは、今や3軒だけ。
リヨンのベルナション、ロアンヌのプラリュ…そして、ヴォアロンのボナ。
ベルナションとプラリュは以前訪ねたことがあり、ボナでこの3軒を制覇することになる。
去年、広尾に支店ができ、ボナのチョコレート自体は簡単に買うことができるのだが、リヨンよりも郊外のロアンヌ、そして更に田舎のヴォアロンにあるボナに興味があった。
看板商品のタブレットが並ぶ。
店内は非常にファンシーな雰囲気。食器や造花なども売られ、一瞬「ナニ屋?」と思う。
ベルナションやプラリュはもっとモダンな今風の作りだった。ボナは地元で愛される昔ながらのスタイル…といった感じ。
まずはサロン・ド・テでショコラショーを注文。
これは、一緒に行った友人の興味から。ショコラショー好きの彼女は、広尾の店でもショコラショーを飲んでいた。その感想は「薄い…。本店と同じ味か、確かめてみたい」
「コレ、広尾と同じ。ちょっとがっかり…」
ボンボン・ショコラも、お世辞にも「食べてみたい!」と思うものはなく…ベルナションやプラリュのときも思ったが、やはり、パリで成功しているショコラティエの洗練には勝てない。
外の暑さも手伝って(36℃!!)買って帰る気にもなれず…。
お店の人と話していると「ボナがいるか、見てきてあげるわ!」
ボナ氏が登場。握手でもして帰ろうかと思っていたら…
「わざわざ日本から来てくれたなんて!どうぞ、こちらへ!!」と応接室に通された。
歴代のボナのパッケージを見せてくれながら、ボナの歴史について語り始めた。
彼は流暢に英語を話す。そして、今まで会ったことのあるどのパティシエのよりも、ずば抜けて知的だ。
バナナの木の近くにあったカカオの木から採れる実は、ほんのりバナナの香りがする…カカオとはそれほど繊細であること。
カカオのプランテーションで人身売買されきた子どもたちを働かせているような国のカカオは、ポリシーとして使わないこと。
カカオは輸送の途中でのロス、焙煎のため乾燥すると出るロスなどを考えると、実際は半分の量になってしまう。正統に質のよいものを作ろうとしたら、本当にコストがかかること…
ボナ氏は熱く語る。
ボナ氏の話を聞けば聞くほど、彼の作るチョコレートの見かたが変わる。話ができてよかった。
「工場も見せてあげよう!」
焙煎の機械が並ぶ。
試作中だという、糖尿病の人にもOKというチョコレートを試食させてくれたりもした。
話がはずんで、2時間くらい(!!)いただろうか。
その間、たびたび電話が入る。
ボナ氏は多忙にもかかわらず、私たちの相手をしてくれる。
友人は、どうしても聞いてみたかったらしく、
「この店のショコラショーは、なぜ他店のものに比べてチョコレートが薄いんですか?」
(チャレンジャー!)
「ああ、それは、子どもが飲むものだからだよ。よその店では、大人の飲み物として出しているかもしれないが、ホントは子どもの飲み物。大人はチョコレートを味わえばいい。よく味のわからない子どもには、薄くて十分だ」
なるほど、ここにもボナ氏のポリシーが…!
また、電話が入る。
「何度もすみません。実は、パリのヴァンドームあたりに店を出すんだ。物件を見に母がパリに出かけているんだけど…。補聴器のバッテリーが切れてしまったらしく、さっきから何回も電話してくるんだけど、私の言っていることを聞き取れないようなんだ。」
スゴイ落ちでした(笑)
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